ありがとう  副教会長  

  二男の行動で本当に見習わなければいけないなと思うことがあります。二男は家族で食事をした後自分で台所に食器を持って行き必ず「おいしいごはんありがとう」と言ってから自室に戻るのです。ここ何年かはそれぞれの生活サイクルがあり、いっしょに食事をいただくことが減ってきましたが、その言葉にうれしく思いますし、日々励まされています。

 「ありがとう」という言葉は世界中色々なところにあふれています。曲にもエッセイにもスピーチや講演の締めの言葉にも。「ありがとう」という芸名の芸人さんもいるらしいです。それほど「ありがとう」という言葉は人の気持ちを和ませ、笑顔にするものなのでしょう。
 以前「和らぎ」で書かせていただいたことがありましたが、私は一時期お礼を言う稽古のひとつとして、ありがたいことだけを書く日記をつけていたことがありました。偶然雑誌で読ませていただいたことがきっかけではじめたのですが、どんなことがあってもネガティブなことは一切書かないというルールで続けました。最初は何かしていただいたことや、具体的なことばかりに目がいっていて、そういうことが思いつかない日は、ありがたいことを無理やりひねり出して書いていたという感じでした。そのうちだんだん「ありがたいこと探し」が楽しくなっていき、毎日ノートいっぱいに書くようになりました。それがしばらく続き、毎日同じことを繰り返して書いていること、ありがたいということはノートに書ききれるものではなく、日々の生活そのものなのだと気づき書くことをやめました。

 学院の時「ありがとう」よりも「ごめんなさい」「すいません」が先に出てしまう私に、友人が「『ごめんなさい』も『すいません』もいい言葉だけど、場合によっては相手に『してあげた』と思わせてしまう言葉でもあるから、まずは『ありがとう』と言った方がいいよ」とアドバイスされたことがあります。それから30年です。心掛けてはいても中々なおらないものですね。稽古の真っ最中です。

 四代金光様は「お礼」「おわび」「お願い」この順番が大切だと私たちに教えて下さっています。まず「ありがとう」という言葉が自然と出るようなそんな自分にならせていただけるよう日々稽古させていただきたいと思います。



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